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いくらでも引けます

bot収録歌201~300

髪を拭くのが下手

乾かすのも下手。楡の短歌bot@ronire_log)収録歌一覧の続きです。201~300首目までになります。

※登録順に並べてあるだけです。本当に見づらい。ご容赦を。

※手動カウントなので100首じゃないかもしれない。

 それではどうぞ。

 

「ひゃくまんの鳥の瞳を知っている」 サイレン遠く近く遠くへ

ぼくは見ていたいつかの日ぎんいろに月のまぶたを塞ぐくちづけ

どこかには行けると思うまた明日会えると思う君のいる夏

ふたつ実を持つさくらんぼ たましいを割っただろうよおまえもおれも

「お祭りは終わりなんだよ。短冊はシュレッダーがけしてから捨てて。」

ぼんやりとおまえのための水槽に泳ぐ金魚でありたいわたし

恋人は夜明けのかたち夜にだけ宿る希望を知らないままで

神さまのきれいな指ではたかれたシッカロールはやさしい銀河

君のいる春が終われば君のいる夏が来るのでしあわせ 敬具

ためらわず折ろう両腕!理由さえあればあなたに電話ができる!

しあわせの許容範囲が見えなくてとかく茶柱立たせぬように

ハローハローあなたのそれはあたらしい弓なりを描く青いハローね

いつまでも紅茶を混ぜるマドラーの先を見ていた。沈む銀色。

問いかけはいつも無視する。今日だって変哲のないただの土曜だ。

『きっとこの指輪は時限爆弾で契った指は吹き飛ぶだろう』

年の暮れ、とっくに死んだザリガニをまだ水槽の中に見ている。

なんらかのなにかと言えば世界中すべてのことが言えてうれしい

一瞬で既読がついてまた首を吊り損ねてることがわかった

がんばれることなど尽きた 零時半レジのバイトにアメスピと吐く

(心して引けよ引鉄)マフラーを編んだの(贈ることは撃つこと)

薬効の切れる朝にはひと袋夜の顆粒を飲んで出かける

あのさもう、ダメだ。(こちらはお客様センター)別れよう。(お客様、)

空き缶を覗けば黒が満ち満ちてなにもないとは闇であること

捨て方も考えてから触れてくるきみのやさしいひどさが好きよ

トーストに載せたバターも融けるからいずれ世界は終わってほしい

お前ってホント細いね、もうずっと嫌いだったよ。じゃあ まあ しとく?

「大根ときゅうりが安い幻の季節に暮らすことが夢なの」

火 きみは誰も愛してない 僕はただライターの風よけとして

淡水魚ばかりの海のないことが救いで僕は川に棲む鯵

いままでに潰した蝿の走馬灯すべて見ているような暗闇

答案も夢も等しく空白で白はすべてになれる(気休め)

鳴き声を持たぬ生きもの 痣に塗るコンシーラーの浮いて剥がれる

・体温はかならず持って帰ること(ひとりの夜の迷惑になる)

なくしものばかりの僕を待っている場所 ポケットに鍵を探す手

雇われて数字ばかりが立っている手帳の中は空白の街

夕飯はなんでもいいよ 頼むからわたしのために生きないでくれ

活けられた一輪めいてまっすぐに伸びたあなたの背筋が好きだ

金色銀色 砂漠の雨のように降る 夜あたたかなマグのココアに

法律に触れたみたいなくちびるの赤いティントを捕まえにいく

死にたがりふたり並んで死にたがり 落ちた恋ならバカはどっちだ

回れ毒回ってよ毒 血と水は混ざり合わないように愛して

好き好き好き吐けば大気に混入し君から始まる環境破壊

こころとは燃やせないゴミ 燃やしたら有毒ガスが出ます、恋とか

しあわせの数だけ減っていく目盛り あなたは腕で日々を数える

月なんていつも綺麗に見えねえよ あなたは真夜中に歯を磨く

しあわせをくださいしあわせをください ぼくのオウムが覚えた言葉

期待期待向く目はぜんぶ泡になれ おれはくらげになろうと思う

触れる雨みなやさしくて目を瞑れ「月の即位はまぶたの裏に」

コーヒーを飲めばカップがあたたかさ失うことのさみしくて夜

電飾が街を蝕む 蝕まれひかりの網に捕らふこいびと

待つことは歩み寄ること 死へ向かう間だれかの手はあたたかく

変遷の星よ 光よ 吐息みな真白く月の餌食となりぬ

「歌ひとつ、くださればいい。贈られた三十一文字で生きていけるわ。」

すこしずつ冬に誑かされていく、世界、おまえは四季の手下だ

愛されて犬に 微笑まれて猫に 髪を梳かれて人になる僕

君がただ君であること以外せず君であるので君が好きです

ここはもうみんな優しい世界 ほら 優しくないのあなただけだよ

ひときれを重ねる度に想い積む ねえレモンパイ焼いてください

「わからない、」「なにが?」「きみの考えてることが。」「? わかってよって誰が言ったの?」

点Pという名の犬を飼っている奴と花火を見る羽目になり

思い出す(厚いガラスに阻まれてもう聞こえない蝉の声など)

たったひとつ成し遂げてみる夏野菜カレーの茄子を残さないこと

箱詰めの人間夏にほうられてプラットフォーム揺らいでいるか

生活と給料のためおこさまのランチに旗を高く掲げる

こんなにもメークインさえ煮崩れてかたちあるものみなほろびゆく

サイレンがあまり優しいもんだからみんな逃げ損ねて死んだのよ

死んでからさまざまを経てここにいるサラミにナイフ差し入れるとき

ありったけさらし玉ねぎぶちまけて春の血液さらさらと行く

永遠の天領に住み雨風をしのぐ代わりに捧ぐ唐揚げ

サイダーの泡を見つめる時すこし重力のこと思い出せない

愛されてしまわないよう生きるのはむずかしいことですねせんぱい

だれよりも早く起きるよ青空をぜんぶ融かせばずっと夜だろ

ささげものふと惜しくなるわたしとは還るためだけ生きていたのか

亡霊が1限に来て窓際でぼうっと砂になって消えた日

2000mg含まれコラーゲン恋するきみを嗤っているか

死ぬために生きまたいつか生きるため死のう 四月のわりに寒いね

うつくしく定時を指して死ぬ針をあげるもう君来なくていいよ

仕舞われた雛人形の息ばかり聞こえてまるで悪夢じゃないか

君のため死ねると笑う僕ならば偽物だからゴミに出してね

だって死ぬじゃん 春の日差しは平等でだいたいみんなきれいに見える

果たせない約束ばかり星になりきょうもどこかで生まれる銀河

「愛」としてぼくらは展示されている 博物館で交わすくちづけ

ユトランド半島と言う時きみの頬はほとんど動かないよね

ちゃぶ台は返される時さかさまの新月を見て「あ、」と呟いた

桜ならかならず祝うために咲く桜が死にたいとか関係ない

教室の金魚どうしていますかとアイスを食べたのちにふと訊く

オーキッド・ピンクの財布擦り切れて贈られたのは15のわたし

照準を合わせてそれが初恋のひとだと気付き躊躇わず撃つ

嘘嘘嘘、それは嘘だよ(嘘じゃないけど)きみが好きとか(嘘じゃない)

花の名のおとうとがいて奴だけがたったひとりで枯れないでいる

炊飯のボタンを押せば20分あとに約束されたぬくもり

きみに降るかなしみすべて行き先を4月1日にしておいたよ

えい、ぷ、り、る、ふーる、の形なぞるのを最後のる、まで聞いて塞いだ

おれたちは愛されていて改札の先を等しく絶望と呼ぶ

くゆらせた煙の向こう怪しげな番号すべて消されたおまえ

本当に感謝してます。いろいろと迷惑かけてすみません。死ね

眠そうなレジに年齢確認をされる。ふざけろ、世界。殺すぞ。

それぞれに信じるものがありそれを神と呼ぶなら 呼ぶなら君は

隕石のしんしんと泣く声として雪(ふれたものみなゆがみゆく)

夕暮れの乱獲防止法がある国で夜とは遠いおはなし

 

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300首目がこの歌なのなんとなくいいなと思います。異論は認めます。今後ともよろしくお願いします。