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いくらでも引けます

おれたちは理由にまみれて

そして結論にまみれて

 

通っていた小学校の隣にある日、スーパーマーケットが建った。

社会科見学の行き先はこれ幸いとばかりにそのスーパーに決まり、あまりの移動距離のなさにええっ、と驚いた。さまざまな都合と一致を垣間見て、なんだかなあ、と思った。予定通りに班行動をして当たり障りのない壁新聞などを仕上げ、そんなこともすぐに忘れてしまったけれど、こうして時折思い出す。

 

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連作2018.6~2018.8

麦茶がおいしい

 

連作まとめである。なんかもう、最初に書くこともない。なにもない。

なにもないから淡々と載せようと思う。だいぶ前の第一回まとめはけっこう頑張ったんだけどいいよね。第二回で急にダレるけどいいよね。

気が向いたら第三回はちゃんとまとめるんで。未来のわたしが頑張ってくれるので。

じゃあいきます。

 

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何もしないということ

 

一週間ほど、予定をすべて葬った。

 

すると「何もしなくていい日」、というものが生まれる。

何もしない日、ではない。やることがあるのに何もしないと決めた日、ではなく、何もしなくても特段咎められることのない日、だ。この「咎められない」というのがわたしには重要で、結局他からの許しがないとまともに休むこともできない。やだねえ。でも昔からそうなんだよ。困ったことにさ。

 

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あなたの推しも輝いている

輝いているのだ

一日十円ずつ貯金をしてきた額が先日、二万円を超えた。我ながら続いた方だと思う。多少の両替を挟みつつもほぼ*1崩さずやってこれた。身体が勝手に十円をキープしておくようにさえなった。染み付いてしまって忘れたままでいたから、急に二万円が出てきたような新鮮さがある。これはお前が貯めた金だぞ。落ち着け。
もともと二万を超えたら使おうと思っていて、さてどうしたものかと考えた時、これまでに例のなかった使い道が浮かんだ。
あの人たちに──あの推しに、会いに行く。
ふと見れば出回っているイベントの情報。そうなんだよ。しかもちょうど行けそうな日付なんだ。逡巡の末わたしは、ローチケのマイページを開いた。

*1:途中にっちもさっちもいかなくなり2000円くらい使った。もうちょっと使ったかもしれない。まあいいじゃないか

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あの狭いドンキの3階で

スウェットのあなたと出会いたい

 

白んだ空は朝へ向かい、意識は奇妙に冴えていく。頭の芯だけが急速に冷えて動き出す。充分な休息の後のおだやかな回復ではなく、追い立てられた生き物が見せる極端で一時的な回復に近い。つまり防衛手段である。要は死にかけているということで、たとえ何も考えたくない脳みそでも精一杯のシールドを張るしかない。何も考えたくない。探さなければいけないものも、揃えなければいけないものも。立てなければいけない予定も待ち構えている予定もそのすべてを一旦、弾きだす。頭の外へ。遠くへ。

 

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祖母と年上の彼氏

ヘルパーさんってまじですごいよな

 

団地住まいの祖母には、年上の彼氏がいる。

 

これだけ書くとニッチな官能小説の書き出しのようだが、まぎれもなくわたしの近くで起こっている出来事だ。

祖母のことは時々歌にしていて、先日入院した時には連作を編んだりもした。基本的に人嫌いで偏屈な人である。加えて異様なほどのせっかちであり、まあよく父に似ている。逆か。父がよく似たのだ。それはもうそっくりに。

 

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