ようこそ拙宅の劇場へ。イラストは2号館へどうぞ。

郵便局(メールフォーム)



いくらでも引けます

bot収録歌301~400

水出し麦茶は麦茶にあらず

家訓です。楡の短歌bot@ronire_log)の収録歌一覧のコーナー。301~400首目までになります。

 

※ざっくり登録順に並べているだけです。わたしも見づらい。

※今5回くらい数えたけどぴったり100首にならない。

※やっとなったわ。

それではどうぞ。

--------------------

 

サイレンを聞かなかった日何台も見たような気がする霊柩車

 

飛び降りて死にたい鳥がいましたらどうぞこちらに翼ください

 

銃弾の飛ばない街だ 真夜中にあなたが掃射しているラヴェル

 

※入力に不備があります。(いつ死ぬか、どう死にたいか、性別、名前)

 

(図2)古代死神文字の刻まれた腕。赤線は「愛して」の意か。

 

果 て し な い 果 て し な い 声 は れ や か に も も い ろ の 死 を 告 ぐ こ と の 愛

 

(緊急時にはこのドアを蹴破って)さよなら地球(お逃げください)

 

僕にしか生えない骨が僕にしかわからないよう折れててつらい

 

トレドミンソラナックスをめぐりゆく日々 たからもの壊す手つきで

 

「大丈夫息はできるよ」シリアルに注ぐミルクのひかる こぼれる

 

おいしいと言わない君を好きになりポッカレモンの水位は低く

 

花を売るひとを愛して花の名を千覚えても千の花の名

 

月曜を知らない星に住む人と毎日6時半のサザエさん

 

やみくもに黒板消しをこすりつけ こすりつけ筆跡仄白く

 

墓誌に苔 苔に歯ブラシ 何度目の夏、鳴いているあれがかなかな

 

展翅板まっさら ひとつ青の翅ひらく 誰かのために泣かない

 

籠いっぱい葡萄をくれる祖母といた日々 あやまちはあやまちとして

 

罪罪罪罪罪編み目重ねゆくおれがおまえをうさぎにするよ

 

ほろ、ぼせ、る、ものは、なかった、シャワーから、滴る、リズム、桶、を、叩けば

 

乗り換えを調べチャージを終え立っている白線の中 死にに行く

 

まなざしでおれの背中はひらかれるLOVEのかたちに縫い合わされて

 

短くて覚えやすくてその名前好きだよ僕はたぶん呼べない

 

悲しみを空にあずけるひとがいて午後の天国波浪警報

 

君といることを選んだ僕だから寂しいなんて言うのはよすよ

 

ためらいをあなたにあげる、あげるから、花散らすほど会いに来ないで

 

無様でも生きてください(頼むから死んでください)花は彼岸に

 

はじめては一度きりだね あなたから伸ばした指がなぞる 泣いてる

 

フォゲット・ミー・ノット、フォゲット・ミー・ノット、僕らの髪を風がさらって

 

この辺じゃドクペ売ってないんだよな(今日死ぬなんて思わなかった)

 

ない厚み 思い出プレス工場は24時間3交代制

 

ともだちの顔がまだらになっていくあの頃いつも楽し縺九▲縺溘?

 

「あなたらしく」「あなたらしく」と言う口にきらきらひかるアロンアルファを

 

また2点引かれてきたの 夜になることは救いになるの 戻るの

 

このひとはおなかがすいているんだなあきこえなくてもどなられていて

 

なりたくない奴のかたまりなりたくない奴のかたまり「一番線に

 

俺手相見れるんだよねすごいですね!導火線ってどれなんですか

 

醤油皿積んでスポンジ泡立ててやりたかったことってなんだろう

 

「頑張れ」を「踏ん張れ」と言う友人に既読をつけてあかるい車両

 

充実も向上も死ね しあわせはどこにもないよ5月のピース

 

いつだって褒めてくれよな ねじる時製氷皿はみしみしと泣く

 

サイレンがあまり優しいもんだからみんな逃げ損ねて死んだのよ

 

空に底。海には蓋を。あなたには奪い奪ったすべての青を。

 

ひとしずく飛びおりなさいゆるされた人のみ泣けるような国なら

 

洞窟のようなくぼみに記憶とはかさばるばかりです 倉庫より

 

この道を帰らなくてもいいんだね 壊れそうなるひかりは満ちて

 

時効だよ きみの歯列はおりこうで奪うものなどなにもなかった

 

祈るのをやめた者から順番にいなくなれると証明します

 

でも聞いてほしくないから春風と同じヘルツでさよならを言う

 

もう羽根をたたまなくてもかまいません制服を裂きしだい飛びなさい

 

覚悟とかできてないけどこうやって生きていくんだ息を、吸ったら、

 

どうしても血がめぐらないこの組織あたためないと動かないのに

 

とどこおりなくながれゆくひとびとを腫瘍のようにじっとみている

 

あこがれたもののすべてを映しても真白く落ちた影があること

 

病巣と呼べば病巣 たったひとつ愛した場所が君にはあるか

 

そこにあるような気がして見てみればどんなにかまだ赤い心臓

 

パーティーのつもりでやっていてごめんまだ痛いなら麻酔をあげる

 

さんざんな傷ばかりでも思い出のために振るったメスをゆるして

 

(悲しみは痛みではない 痛みとは涙ではない 涙は祈り

 

沈む陽は水平線で受け止めてあしたもきみが昇れるように

 

痛いって言えばいいのに心臓に根を張る花がこんなにきれい

 

かたつむりばかりの舟がまいります ぬると進めばぬると風吹く

 

さよならはひとりでに言え割られゆくりんご蜜蜜蜜きんいろに

 

きらきらと死んだあの子は砕かれてルージュのラメになった、ほらここ

 

風はない。星は降らない。永遠はここにあるんだ。早く帰れよ。

 

こうやって誰かのために生きていて歌に閉じ込められて泣きそう

 

愛してるから愛してね。ほんとうの呪詛は言葉の形をしてた

 

云わないでいただけでしょう夫にも妻にもならず昼の通販


とびきりのBが欲しいよ。rideからbrideになるためだけのB。


右のない夢で左折を繰りかえすひだりを知らずただ前と呼ぶ


今あんたの切った汚い爪があの月だとしても綺麗って言う?


錆びついた舌をあたえよ歯列とはくずれてひらく錠前のこと


ていねいな嘘ていねいなまばたきの度にまつ毛がおもい想い重い


よく焼いて、忘れて、串を刺してみて、なんにも滲まなければおわり


ビー玉をもらう代わりにこの夏をくれてやろうと悪魔は言った


どこにでもひかりはさすとおもいます給湯室に花火は遠い


わたあめができあがるとき思い出すゆうべの空が赤かったこと


花の咲く方へ光の咲く方へあるいてゆこう境内に風


この夏のきゅうりに刃当てる子へおもいきりななめでいいんだよ


報せなく逝くのでしょうね闇に影溶け出してどこからが向日葵


聞こえない声の聞こえるほうに手を伸ばせばひかる鱗粉のあと


待つと決め待つみずうみにひとひらの花弁かならず生きてかえって


手折らないようにとばかり触れるひと明日はひとつ先の山まで


鳥たちよ人に生まれずおめでとうまだ抱きしめる腕をもたずに


かわせみの亡骸載せてあまりある両手あなたのささくれた指


あ と見れば箒に蛍 澄みきった笑顔のときにすこしさみしい


忙しくしているようで何よりね今日はどちらの姫の護衛に?


遺すこと遺されることゆるされぬことばかりあなたはもどらない


もうそこにあれが来ているさらわれてしまったきりの季節が 夏が


なまぐさい朝の淀みにベーコンを儀式のような面持ちで焼く


一撃で仕留めてみせた手のひらを開けばいないちょっと待っていない


生存を賭けていたならごめんねとちいさな腫れに十字を切って


あ 双子だ 殻を片手につぶやけば君が蛇口を止めて訊く「マジ?」


3分を待つ間から触れたくて伸び切った麺すすって笑ってさあ


あなたしか使わなかったタバスコが賞味期限を待つワンルーム


あたしより凝ったつまみを知っている君はやっぱりまともじゃなくて


オン・ユア・マーク、射殺してくれ まなざしを濡らすおまえに夜目がきかない


昇らない血液ふつと湧いていて奪い合おうか頬は染めない


おれは死ぬおまえは生きろ引導は渡される頃煙のかたち


やり直すため再設定してくださいごめんねだけじゃ短すぎます


なかないで。くじらのまくはこわくない。おすしをたべてかえってください。

 

--------------------

 

次の100首はこちら↓

 

itismessyhere.hatenablog.com

 

 

前の100首はこちら↓

itismessyhere.hatenablog.com

 

この頃になると連作をまるまるぶち込んでいたりします。単発の歌もちゃんとやりたい。今後ともよろしくお願いします。